今日もキミに甘え放題
「も、もういい……バカは悠くんだもん」
心当たりのない私はムッとし、拗ねてしまう。
だってなにか怒らせるようなことをした覚えはない。
「へぇ、無自覚なくせして俺をバカ扱いするんだ?」
「も、もう悠くんなんて嫌いだ!」
本当は少しも嫌いと思ったことはないけれど。
ムキになって、悠くんの先を歩こうとした。
「ほら、あぶないから離れんな」
けれど悠くんがそれを許してくれない。
あぶないと言って、私の肩に手をまわして抱き寄せてくるのだ。
「……っ、あぶなくない」
「じゃあ離れてもいいのか?
ああ、そうか。俺のこと嫌いなんだっけ」
「……やだ」
本当は嫌いじゃない。
ただムキになって、とっさに嫌いと言ってしまっただけ。