今日もキミに甘え放題



だから私は悠くんにくっついた。
このままだと誤解されて、本当に離れていきそうで。


「なにが嫌なんだ?」
「悠くんが離れていくの、やだ……!」

「ふーん、俺のこと嫌いって言ったくせにな」

「うそだもん、悠くんが怒るから怖くて……本当は嫌いじゃない。ぜったい悠くんを嫌いにならない」


外なのはお構いなしに悠くんにピタリとくっつく。
離れたくないという意思表示だ。


「……かわいいやつ」
「もう怒ってない?」

「さあ?」
「そ、そんな曖昧な返事しないで!」


不安になってしまう。
けれど悠くんを纏う不機嫌なオーラは、なくなった気がした。



「でもいいもんね、今日は悠くんと朝まで一緒にいられるから」


とことん甘えてやる。
私を不安にさせた罪は重い、なんて。

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