今日もキミに甘え放題



もしかしてテレビがつまらないのだろうか。

それとも勉強を放棄してしまった私に怒っているのかもしれない。


悠くんのことを考えていると、なかなかテレビに集中できなくて。

さらに彼は私の肩に手をまわし、グッと引き寄せてきた。


いつのまにか離れていた私だったけれど、また悠くんと密着状態になる。

めずらしい、悠くんからこんなことするなんて。
人肌が恋しいのだろうか。


「さては悠くんも甘えたいんですね」

いつも私が甘えてばかりで、受け入れていたけれど。
悠くんも人に甘えたかったのか。


「なんでそうなるんだよ」
「え、ちがうの?」

「彩葉がつまんねぇテレビにばっかに集中してるから暇なだけ」

「ひ、暇……?」


だから暇つぶしとして私にこんなことをしているの?
悠くんって、なかなか変な人だ。

< 54 / 280 >

この作品をシェア

pagetop