今日もキミに甘え放題



どうやら由良ちゃんもそう思ったらしい。
だからたぶん、無意識に掻いて傷になったのだろう。


「それにしても……いや、まさかね」
「由良ちゃん……?」

「これ、キスマークみたいだね」
「……っ、岸田!余計なこと言わない!」

「キスマーク……?」


岸田くんの言葉に首を傾げる。
由良ちゃんは焦っている様子だったけれど、岸田くんはどこか冷静だった。


「そう、虫刺されよりキスマークだよこれ。俺もつけたことあるし……つまり渡辺さんには男がいるの?」

「男……?」
「彼氏ってこと」

「彼氏……!?い、いないよ!」


突然の質問にびっくりしたけれど、慌てて否定する。
彼氏どころか恋愛もまだである。

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