今日もキミに甘え放題
「これ、そんな甘くないんだな」
「だから悠くんも好きだと思ったの!
ほどよい酸味がクセになるよね」
「ああ、確かにこれはうまい」
悠くんも同意してくれたようで嬉しい。
これは何度も買ってしまいそうだ。
「食べ終わったら明日の小テストの勉強するぞ」
「うっ……」
幸せな時間に浸っていたけれど、すぐ現実に引き戻されてしまう。
“小テスト”という言葉に体が拒否していた。
「悠くん、ちょっとだけ休けい……」
「小テストの勉強が終わったら、好きなだけ休めばいい」
テーブルを挟んだ向かい側にいる悠くんは、厳しいモードに入っていた。
中学のときから悠くんは私の勉強を見てくれていて、高校に入ってからもそれは同じだった。