最後の夜
ママも姉さんもみんな帰路についた後、私は道端に座り込んでいた。

足が一歩も前に出ない。

ストールを体に巻き付けて、勝手に出てくる涙を必死に拭っていた。

本当に死にそう。

私は根性なし。

お酒で死ぬなら本望と、こんな事したのに。

いざ今になって、死にたくないと思ってる。

這ってでも帰らなきゃ…そう思って、体を壁にこすりつけながら必死に立ち上がる。

膝が笑ってる。

目の前が真っ白になって、その場に倒れ込む。

なんで?

なんであの子なの?

なんで春樹なの…

春樹を命懸けで愛していたのは私だったのに。
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