最後の夜
「あほらしい」

金色に染めていた私の髪の毛に雪が落ちてきては溶けていく様を、隣の店のショーウィンドウ越しに眺めていた。

高校二年生、私は絶頂に荒れていた。

世間は私のような野良には冷たくて、外されていくほどに荒れていった。

この前の年までは、まだ理性が保てていた。

子供の頃から一生懸命だった剣道…全国大会の常連になれた程だった。

学校をさぼっても、稽古だけは真面目に通った。

先生の言う事を聞けなくても、師範の言う事だけは忠実に守った。

だから、看護師になる夢も持ち続けられたのに。

悪夢は突然訪れる。

練習の途中に、右大腿骨骨折…私の選手生命は当然のように断たれ、出場が決まっていた全国大会の団体戦の大将は、私のライバルだった晶菜に取られた。
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