陽点  心の中の太陽

就職活動を 始めるとき


私は 地元に帰るか残るか 迷った。



「このまま こっちで 就職しなよ。落ち着いたら 結婚しよう。」


栄二は 私に言った。


「うん。でも うちの親、帰って来いって 言っているから。こっちに残るなら ちゃんと 親に言わないと 無理だと思う。」


その時 私は 本当に 栄二と 結婚したかったのか わからない。



結婚生活なんて 全く わからなかったのだから。



ただ 仲間の 誰よりも先に 結婚したかっただけ。


『久美子は 遊ばれている』という友達を 見返したかっただけ。


栄二が 結婚相手として ふさわしいかよりも。




そんなことが 自分の中で 大切だった。



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