陽点 心の中の太陽
「俺、そっちに 帰ろうと思うんだけど。クミも もうすぐ出産だし。」
栄二が お義母さんに 連絡すると
「いいんじゃない。そうすれば 毎日 ミーちゃんに会えるわ。」
と言ったらしい。
私達は 直哉が産まれる前に 栄二の実家の近くに 引越しをした。
結婚して まもなく3年。
就職して 4年目で 栄二は 最初の会社を 辞めた。
引越しの費用は 栄二の親が 用意した。
前年 定年になった お義父さんの 退職金を
栄二は 最初から 当てにしていた。
引越しのことを 母に伝えると
「大丈夫なの?子供が増えるのに。仕事も 決まってないんでしょう。」
母の言葉は 私が 思っていたこと。
でも 栄二の家とは 考え方が 違うから。
私は どっちが 正論か わからなくなっていく。