陽点 心の中の太陽
寝室を 別にしてから
栄二は 眠くなるまで お酒を飲む。
おかげで 早く寝てくれるから
厳しい家計に ビール代が かさむことを 私は我慢した。
「ママ。何で 離婚しないの?」
私と美由紀は その後 リビングで話す。
勉強と言えば 栄二は 何も言わないから。
時々 直哉も 交ざってくる。
「ホント。早く 離婚すればいいのに。」
反抗期全開の直哉は 栄二の説教が 大嫌い。
「でも ママが離婚したら あなた達 進学できないよ。」
成績の良い美由紀は 国立大を 狙っている。
直哉の成績では 国立大は 無理だろう。
「私、奨学金 借りるから。」
「俺も。別に 大学行かなくてもいいし。専門学校とかで。」
子供達がいたから 私は 今まで 我慢できた。
成長していく 子供達。
子供達が 巣立って 栄二と2人になったら。
そんな日が 遠くないことに 私は 恐怖を感じた。