陽点 心の中の太陽

それからも　私は　富永さんと　付き合い続けた。


会うことは　月に一度くらいしか　できないけれど。




私には　家庭があるから。




富永さんは　私と一緒に　いる時も


感情に　波がない　穏やかな性格だった。



一緒にいる時間が　短いから。


そう感じるのかもしれない。




だから　栄二と離婚して　富永さんと　結婚したいとは　思わなかった。



ただ　覚えた快楽に　身をまかせるだけで　十分だから。




どこかに　私を　思ってくれる人が　いるだけで　私の心は　救われていた。






私は　男の人に　期待しないことに　慣れているから。




この先　富永さんと　一緒になりたいとか。


富永さんに　救い出してほしいとか。


そんなことは　思っていなかった。