陽点 心の中の太陽
「俺は 久美子の氷った心が 溶ければ いいんだ。」
富永さんは あまり 会えない私を 責めない。
私に 家庭があることを 承知で 声をかけたのだから。
私を 独占できないことは 覚悟していた。
私も 富永さんを 束縛できない。
私達は 恋人同士では ないんだから。
「私 これでも 昔は 明るくて 元気な性格だったのよ。」
富永さんの部屋で 昼間から 身体を重ねて。
どんどん 開花していく 自分の身体に 戸惑いながら 私は言う。
「わかるよ。仕事している久美子 見ていれば。」
「うん。外では なるべく 心を溶かしているから。」
「ねえ。今のままで いいの?いつの間にか 久美子の心 全部 氷っちゃうよ?」
「そうよね。まだ 間に合うかしら。」
動くなら 今しかない。
私も そう思いはじめていた。