陽点  心の中の太陽


「ねえ。ママ 離婚しようと思うの。」


直哉は ガツガツと ハンバーグを食べながら 目だけ上げる。

美由紀は うんうんと頷いて


「いいんじゃない。ママが決心できたなら。」

と大人っぽいことを言う。


「ママは 家を出るけど。あなたたち どうする?」


まだ子供達は 未成年だから。

揉め事に 巻き込んでしまう。


「私は ママと行くよ。」

美由紀は 何も躊躇わずに 答えた。

「俺も。決まってるじゃん。」

まだ機嫌が直らない直哉は ぶっきら棒に言う。


「これからのことなんだけど。まずママは アパートを探すから。部屋が決まって 準備ができたら 家を出よう。その時に パパには 離婚のことを言うから。それまでは 絶対に 気付かれないようにして。」


私が言うと 直哉は 神妙に頷き 美由紀は

「ママ お金あるの?」

と聞いた。



子供に お金の心配まで させてしまうなんて。


どれだけ 私達は 不出来な親だったのだろう。




「大丈夫。ばあちゃんにも 相談するから。」


私の両親は 栄二に呆れていた。


もっと前から 私に 離婚するように 言っていた。



親不孝で 子供不孝な私。


それなのに 幸せじゃないなんて。


許されない…



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