陽点 心の中の太陽
「これ 美由紀が 用意してくれたの?」
私は テーブルを見て言う。
「ケーキは 俺が買ったの。」
直哉が 得意げに 口を尖らせる。
「ありがとう。お腹空いちゃった。食べよう。」
殊更 明るく 私は言う。
「うん。当分は 贅沢禁止だから。今日くらい いいかなって思って。」
美由紀が わかったような事を言い 私は 苦笑する。
「ホント。これからは 貧困家庭だからね。無駄遣いは 禁止だよ。」
子供達に合わせて 私も 明るく言う。
「今までだって 十分 貧困だったよ。」
直哉の言葉が 胸に刺さる。
子供達が 普通に育ったのは 奇跡。
私の愛情だって 今は 信じよう。