竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 勢いよく冷蔵庫の扉を閉めて、脳みそが散る勢いで頭を振りましたさ! 竜王様が邪魔なわけないでしょう。
 そんな私の動きがおかしかったのか、竜王様はその綺麗な黒ヒスイの瞳を細めています。
 表情は無に等しいけど、いつ見てもイケメンですなぁ。……じゃな~い! なんで厨房の裏(こんなところ)に竜王様がいるんですか!?
「こんなところに、どうしたんですか?」
「ああ……まあ、ちょっと……散歩だ」
 今度は視線をさまよわせる竜王様。
 ふ~ん散歩ですか。散歩だったらきっとこんなところに来ないでしょ。おやおや、お供も誰もいませんねぇ? せめてペットの竜さんを連れていたらそれらしいのに。
 おまけに、なんか歯切れが悪いから……これは、お仕事を放り出してきた系ですね! 鋭い私は察しましたよ。
「いいお天気で、散歩日和ですね」
「……」
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