竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 返事に『喜んで!』って、どこの居酒屋ですか。慌てて言いなおすと、私を呼び止めた貴婦人がおや、という顔をしていました。
「あら、あなた」
「はい?」
「まあ……うふふ。ごきげんよう」
「? お目にかかれて光栄にございます」
「では、果実酒をよろしくね」
「かしこまりました」
〝お嬢様〟というには少し年齢がいってる感じの貴婦人が、私を見ると青い瞳のその目を細めました。どこかで会っていたなら忘れそうにない感じの、美人さん。『ごきげんよう』なんて挨拶される覚えがないんだけど。
 そんなことより今は頼まれた飲み物をお持ちするよう、早く誰かにお願いしないと。
「すみません。あそこのピンク色のドレスのお嬢様に果実酒をお願いします」
「げ。女王じゃないの」
「え? あの方が?」
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