竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 近くにいたメイドさんに飲み物の件を伝えると、メイドさんは眉間にシワを寄せました。ああ、あの人が例の『ヴァヴェルの女王様』ですか! うわぁ、ほんとに来てるんだ。でもなんで、あの人は私に挨拶なんてしたのかしら? ますますわけがわからん。
「あ、プチケーキが」
 女王様の謎の挨拶のせいで脳内が混乱していましたが、空になりかけたプチケーキのお皿を見つけて現実に戻りました。そうだ、今は仕事しなくちゃ。
 私は報告ついでにいったん会場を抜け、厨房に戻りました。

「トープさ~ん。プチケーキがなくなりそうで~す」
「了解。もうすぐデコレーションが終わるから、出来次第すぐ持っていくよー……って、あんた、ライラ?」
「はい? ライラですよ?」
「いや、驚いた。あんたえらく綺麗になって……」
 トープさんが私の顔をまじまじと見ています。
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