竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 近くにいたお嬢様たちの会話が聞こえてきたんだけど、仲よさそうに話しているのかと思いきや、それはどうやら上辺だけのようです。お嬢様、こわ。
 しかし竜王様、ダンスをお誘いするだけで逆鱗って、どんだけ怖がられているんですか。私はそんな怖い人じゃない……と思うんだけどなぁ。どうして竜王様がそこまで怖がられているのか、私にはわかりません。

 パーティーが続く限り私の仕事も続くわけで。
 なににも触れないぶん、ほかの人よりも会場をよく見回して、不備のないよう、私なりにがんばりました。飲み物も食べ物も、今のところ切らすことなく、うまく補充できています。お客様からのクレームもないし、我ながらなかなか上出来だと思っています。
 そろそろ終盤に差しかかった頃、会場内が静まり返る出来事が起こりました。
 ようやく竜王様が、その重い腰を上げたんです。
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