竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 グイッと引き寄せられて近くに寄ると、もう完全に竜王様でした。
「というか、りゅーおーさまこそ、こんなところでなにしているんですか。りゅーおーさまじゃなかったら、ただの痴漢ですよ」
 周りに聞こえたらアレなんで、『竜王様』のところはごにょごにょってごまかしました。
「はあ?」
 痴漢というワードにぴくりとこめかみを動かしましたね、竜王様。
「これですよ、これ。いきなり手首を掴むとか、心臓に悪いんでやめてください」
 というか、まずは声をかけましょうよ。まるきり不審者です。
「無視でないというなら、あの態度はなんだ」
「そりゃスルーしますよ。まさか、こんなところにいらっしゃるなんて思わないじゃないですか。他人の空似、人違いだと思ったんです」
「それは……そうか。余は視察だ」
 なんとかシカトの理由は理解してもらえたようです。って、ここにいたのは視察ですって?。
「お忍びで?」
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