竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 綺麗に咲いている花の奥、そこだけなぜか緑の雑草が群生しているじゃないですか。
 これは庭師さんも見落としていたな。ふふふ。これでお手伝いできるってもんです。
 私が喜び勇んで見つけた雑草を抜こうとして、茎を掴むと。
「わ~! それはこれから花が咲くやつだから抜くな~~~っ!」
「えっ! すみません!」
 ギョッとした庭師さんに止められました。あぶなっ。もう少しで抜くところでした。
 額にかいた冷や汗を手で拭っていると、頭上から、くくく……と抑えた笑い声が聞こえました。
「そなたはまた怒られているのか」
 笑いを含んだ美声も降ってきました。
 はい、この声。出ました~!
 見上げるとそこには、逆光でシルエットしか見えないけど……、あのお方。
「竜王様!」
「部屋で仕事をしていたら庭にそなたが見えてな。なんだ、サボりか?」
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