竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 入り口扉を押したり引いたり、上げたり下げたりしたけど、びくともしませんでした。外から鍵をかけるタイプの扉だということだけは判明しました。
「もうそろそろ晩餐の時間くらいかな。さすがにお腹減ってきた」
 時計がないから時間もわからないし。
 ヴァヴェルからの花火が上がったのが、晩餐用のスープの仕込みを終えた頃だったはず。あれから何度もいろんな人に説明して、竜王様のところに行って……ああもう、かなり時間が経っているはず。
「仕込みはしたけど、ちゃんと完成させてくれたかなぁ」
 今日のスープは菜っ葉のお味噌汁。大根みたいな根菜と、その葉っぱを使ったエコな一品だったんだけど、ちゃんと完成したかな。……竜王様、食べてくれたかな。せっかくお味噌汁を気に入ってくれていたのに、こんなことになってごめんなさい。
「くっそ~。あんな記憶、思い出さなきゃよかった」
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