竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
「あの……逃げるのに少し時間をもらってもいいですか?」
「え? どういうことだい?」
「こんなにたくさんの人たちを巻き込んでしまってたなんて、申し訳なくて。どうせ逃げるならなにか置き土産をしていきたいと思ったんです」
「置き土産?」
「はい。ヴァヴェルをおびき寄せて、罠にはめてから行こうかなって」
「は? あんたなにを言ってるんだい!?」
 驚くトープさんたち。みんなも、静かだけど動揺しているのが伝わってきます。
 いや、驚くのは百も承知ですよ。
「本当は竜王様たちが動きだすタイミングでできたらよかったんですけど、それは難しそうなので、私ができることまでやって、後は捕まえるだけってところまで追いつめてから引き渡す感じでどうでしょう」
「『私が』って、ライラひとりでやるつもり? 無理よ、そんなの!」
 マゼンタも声をあげました。
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