竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 なのにこちらも塩対応。なんで手伝おうとしているのに逆ギレするかな? 新人に仕事も教えないって、ここはプラック企業か。そう思ったら、頭の中で『ぶちぶちぶちぶち』と堪忍袋の尾が切れる音が聞こえる気がしてきました。
 ――いかんいかん。
 ブチ切れるのは簡単だけど、今の私は行くあてのない孤独の身。ここを追い出されたら野垂れ死ぬしかないのだよ。腹立たしいけど今は我慢あるのみ。『自分で考えろ』って言われたんだから自分で考えますよ~だ。
 私はまた気を取りなおして厨房内を観察しました。
 料理人さんや使用人さんが忙しなく動き回っているのを見ていると、ふと人のいないところが目につきました。そこは洗い物をするシンク。
 調理に使った道具が、そのまま山積みになっていました。あれ? うちのシンクも一緒に転生してきたのかな? ……じゃなくて。きっと洗っている暇がないから、後回しにされてしまうのね。
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