竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 労いの料理とかいって、睡眠薬を仕込んだ料理を食べさせたらよくない?
 そもそも私ってば、料理の腕を買われてこちらに派遣されたんだし。そして竜王様にも気に入ってもらった腕だし。
「お味噌汁の香りって、食欲そそるのよねぇ。やっぱ出汁の香り最高!」
 使用人さんたちの準備と並行して、お味噌汁と睡眠薬の準備もお願いしよう。出汁の昆布もどきと、野菜と。食器はどうしよう……これは要相談ということで。
「やること決まったらあとは寝るだけってか。おやすみ~」
 だ~れも返事してくれないけど、私は清潔で気持ちのいい毛布にくるまって、眠りについたのでした。

「起きろ。食事の時間だ」
「ほえ?」
「牢屋で寝ぼけるな! まったく、緊張感のない」
「はひ?」
 いつもの仕事もないのですっかり寝坊していたというのに、フォーンさんに叩き起こされました。
 え~。マゼンタじゃないの~?
「さっさと食べなさい」
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