竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 目の前の調理器具たちは、どれもそのまま置かれていたので、調味料や食材のかけらがこびりついています。
 愚痴っていても仕方ないので水で流し、洗い始めました。
 世界が違うと勝手も違う。
 ここの洗剤、やけにヌルヌルするんですけど。
「うわっぷ」
 力を入れて握っていないと、すぐにすべって取り落としそうになっちゃう。今も洗剤が入れてある容器を落としかけたし。とにかく勝手が違うんだから、気をつけなくちゃ。
 気を引き締めてフライパンを手に取った矢先。
「わわわっ!」
 考えているそばから、手からすべり落ちるフライパン。しかも不幸なことに、フライパンが落ちた先には重ねられた食器があって。
 厨房内に響く、食器の割れる派手な音。ざわついていた周りが、一気にシンとなりました。
「新人!」
 トープさんが飛んできました。
「はいっ!」
「それね、竜王様たちに出すお皿だ。意味わかるかい?」
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