竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 ひと口分を小皿に入れて味を見れば、うん、なかなかおいしくできたんじゃない? ちょっといい出汁を使ったからか、今日のスープはいつもより上品で優しい味わいになりました。野外クッキングとは思えない出来です。
「どうですか?」
 トープさんにも味見をしてもらいました。
「うまい! 敵に食べさせるのはもったいないくらいだ」
 満面の笑みを浮かべたトープさんから、お墨付きをいただきました。
「最後に薬草を入れたら……完成です!」
 眠気を誘う薬草は、味的にはほうれん草や小松菜みたいなものらしいのですが、確実に食べてもらいたいので細かく刻みました。
「じゃあ、私たちも隠れているから」
「はい!」
 いい感じに仕上がったところで、トープさんたちも茂みに隠れました。
 あとはヴァヴェル兵の到着を待つばかり!
 ……の、はずだったのに。
「ふむ。いい匂いだな」
< 280 / 371 >

この作品をシェア

pagetop