竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 全部食料庫に放り込んで『はい、完了!』とはいかないか。
「あら、この根菜、すぐに皮を剥いて使うものだから、片づける必要なくない?」
「この葉っぱも、水につけるやつよね」
「あ、その前に食料庫がいっぱいだわ。ここから片づけなくちゃ」
 ここに片づけてと言われた食料庫から物を引っ張り出して──って、あれ? これ、さっきより散らかってない?
「レイラ……」
「モーブさ~ん! 片づきません~!」
 様子を見にきたモーブさんが、散らかったまま、いやむしろひどくなった部屋の状況を見て立ち尽くしています。
 私はできないって言ったじゃないですか~。
「……片づけの実力はわかった。じゃあ、皿洗いを──」
「任せたら店からお皿が消えますよ?」
「──やめておくよ」
「理解していただけてよかったです」
 片づけ能力から察したのか、モーブさんは皿洗い係を断念してくれました。
「料理はできるんだよね?」
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