竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 とはいえホールに顔を出さないように気をつけねば。
 調理場はお客さんのいるホールから見えないようになっているので、こちらに入ってこない限り私の姿は見えません。それでも念には念を入れて、ホールに背を向けています。
 アルバイトのホール係の女の子と、洗い場担当のパートのおばさん、そしてモーブさんという態勢に、私が『調理手伝い』として加わることになりました。

 夕飯時にもなると満席で、注文も殺到、調理場は修羅場のような忙しさに襲われます。
「炒め物、みっつでーす!」
「さっきの注文、通ってますか~?」
「はいよ! ちょっとお待ち」
 ホール係の女の子──ラピスさんの注文を受けて、調理に忙しいモーブさん。テキパキと動くモーブさんは、トープさんを彷彿とさせます。
 私は私のできること……せっせと材料の下ごしらえに励んでいますよ!
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