竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
「ええ……と、じゃあ、村人さんの住んでるところから……」
「そこからも近くもないんです」
「あちゃー」
 それ、完全に立地に失敗していません?
「と、とにかく、お邪魔させていただきますね。ひょっとしたら、売り出しにいい案が浮かぶかもしれないし」
「あらやだ、愚痴っちゃってごめんなさい。ぜひお料理を楽しんでくださいね」
 ニコッと笑うマルーンさん。
 お店の事情はともかく、早く村に着いてほしいです。

 田園風景や森を抜けること数時間。馬車はようやく目的の村に到着しました。
「ここが村の入り口で、少し行けば村の中心地に着きます」
「ボルドーさんのおうちは?」
「まだです」
 あ、そうだった。村はずれって言ってましたね。そしてここからはまだ海も見えないし。
 村の中の大きな道を馬車が進むと、周りの人たちがボルドーさんに声をかけてきました。
「今帰りかい?」
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