竜王様、ごはんの時間です！～グータラOLが転生したら、最強料理人!?～

　私がよほどお腹が空いているように見えたのか、お母さんはキッチンに行くと、なにかまた作り始めました。
「お父さんはまだお仕事ですか？」
「そうですね。朝早くから漁に出て、もう港に帰ってきている頃じゃないかな」
「漁に出っ放し、というんじゃないんですね」
「毎日帰ってきますよ」
　お父さん、遠洋漁業的なやつじゃありませんでした。
　そんなたわいないことをボルドーさんやマルーンさんと話していたら、キッチンから漂ってくる香ばしい、魚を焼く匂い。
「次は焼き魚ですか？」
「そのようですね。生でもいけるくらい新鮮だから、塩焼きだけで十分おいしいんですよ」
　ええ～！　新鮮な魚を焼いちゃうって!?　もったいない。そのまま刺身でもいいんですけど。脂の乗ったプリプリの刺身をパクって……。
「想像しただけでもよだれ出そう」
「おいしいですよ～。ああ、ほら。できたみたいです」