竜王様、ごはんの時間です！～グータラOLが転生したら、最強料理人!?～

「はい。ほんとに全部のメニューを出すんじゃなくて、イチ押しの料理をワンコインくらいで出すんです。スープとか」
「オニギリとミソシル？」
「それどっちも私の味です」
　シャトルーズさん、今そんなボケはいりません。
「シャトルーズさんの味がわかるものですよ。私はさっきいただいたアクアパッツァがいいと思います」
「ああ、あれ？　魚介の煮込みスープ」
「そうです」
　あれこそシャトルーズさんの味でしょ。魚のうまみがギュッと詰まっていて、とてもおいしかったし。
　あれを食べてもらえたら、お店の宣伝になると思うんだけどなぁ。
「村の中心で……それなら僕たちが広場に店を出す時に、その横でスープを食べてもらうスペースを設けるのはどうでしょう？」
　ボルドーさんが言いました。
「え？　ボルドーさん、お店を出すんですか？」
「お店というほどでもないですけど、都に行った時に調達してくる雑貨を広げるんです」