竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
「そうなんですか? ちょっと味見します?」
「ああ」
 私はおわんに少しお味噌汁を注ぎ、トープさんに渡しました。
 トープさんはまず匂いを嗅ぎ、なにか考えるようなそぶりをした後、ゆっくりとお味噌汁を口に含みました。それはまるでテイスティングのよう。お味噌汁をテイスティングしているの、初めて見たわ。
 そしてこくりと飲み干すと、ほぅとため息をつきました。
「……おいしい。これ、ライラックが考えたのかい?」
「えーと、私が考えたというよりは、私の故郷では一般的な家庭料理なんです」
「こんな家庭料理は食べたことがないよ。いったいどこの郷土料理だい? このスープのベースはなに?」
 矢継ぎ早に質問してくるトープさん。郷土については言っても理解してもらえないだろうからスルーするとして。
「ベース? ああ、昆布出汁です」
「コンブダシ?」
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