竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 どこかで聞いたことのあるような声なんだけど、思い出す前にフォーンさんに押し出されました。行けということですね。はいはい、押されなくても行きますよ。
 でもでも。部屋は広すぎるし、テーブルも大きすぎて、上座に座っている竜王様がよく見えません!
「竜王様に許されるまで顔は伏せておくように」
「はーい」
 フォーンさんに言われるがまま顔を伏せました。これは『苦しゅうない、面を上げい!』ってやつですね! 了解です!
「返事はキビキビする! さっさと行け」
「はい!」
 私はフォーンさんに促されるまま、竜王様の示したところまで行きました。
 ちらりと横目で見たテーブルの上にはトープさんの作った料理がのったお皿が置いてあるから、ここは竜王様のダイニングスペースなんでしょう。
「面を上げろ」
「失礼いたします……あっ!」
 許されたので顔を上げたら……イケメンおった。
 違くて。
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