竜王様、ごはんの時間です!~グータラOLが転生したら、最強料理人!?~
 竜王様は、私の登場──空から落っこちてきた──のことをバーガンディーさんやペットの竜から聞いて知っているのでしょう。私があきらかに自国民ではないことを考えていたのか、ちょっと間が空いてからうなずく竜王様。
「賄いにと作っていたものを、私が器を間違えて盛りつけたせいで、こちらにきてしまいました。申し訳ございません」
「その『マカナイ』とはなんだ?」
「料理人が、自分たちのために作る簡単な食事のことです。それを私が作らせていただいているのです。ですので、簡素な料理。それを間違ったとはいえ、お出ししてしまって申し訳ございませんでした」
「いや、謝る必要はない」
 怒られない……だと? つまり今回はセーフということでしょうか?
「あの~」
「なんだ?」
「今回の失敗の件で、竜王城追放ということはないでしょうか?」
「追放? そんなことをする必要がどこにある?」
 またクイッと眉を動かす竜王様。
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