竜王様、ごはんの時間です！～グータラOLが転生したら、最強料理人!?～

　たしかに私は『使用人』でもなんでもない、ただの居候です。しかも空から落ちてきたっていう。なんとも怪しい登場の仕方で。竜王様のペット（？）に、城の片隅に住んでいいって言われただけの、得体の知れない人物です。
　私的には、肩書きなんてどうでもよかったんだけど。
「では正式にメイドとして雇えばよいのだな？」
「へ？」
「ライラックをメイドとして雇用する。よいな？」
「……かしこまりました」
　竜王様は私をメイドとして雇うことをこの場で決めちゃったようです。
　竜王様の命令は絶対。フォーンさんは不承不承受け入れました。
「では、正式なメイドの作るものならよいだろう？」
「……はい」
　もはや『了承する』というより『うなだれる』といった方がしっくりくるフォーンさん。
「ではライラック」
「はいっ！」
「そのスープを毎日余のところに持ってくるように」
「かしこまりました！」