悪魔に愛されすぎて困ってる
「おい、もうすぐ親父がここに来る。
話、合わせろ」
「はぁ!?なに、言って…」
すると、この悪魔の言った通り、この部屋の大きな扉からコイツと同じようなコスプレをしたおっさんが入ってきた。
「ユーリ。相手を決めたそうだな。どいつだ」
おっさんが俺を見る。
「んん?こいつは、人間じゃないか。それに男のように見えるが…どういうことだ?」
睨んでくる。こえーよ…
「父上、俺はこいつが好きなんです」
はぁ!?
ついさっき、会ったばかりじゃねぇか!
「俺はこいつに一目惚れし、今ではお互い愛し合っています」
はぁぁぁ!?
「ちょ、おま…んっ」
話そうとしたら、手で塞がれた。
そうだ、言うこと聞かねーと俺、殺されるんだ。
「お前たちが、愛し合っているのはわかった」
わかんの!?
このおっさん、絶対息子に甘いタイプだ
「して、世継ぎはどうするんだ?
男同士だと子どもは作れんだろう」
…っ!?
子ども!?
「はい。ですので、世継ぎと王位は弟のカーティスに譲ろうと思っております」
「なるほど。検討してみよう。カーティスには私から伝えておこう」
「ありがとうございます。父上」
「さがってよいぞ」
「はい」
俺は悪魔に引きずられるようにあのでっかな部屋から出た。