隣の席で青春くん


ーーーーーーーーー
ーーー




「彩〜帰ろ!」



授業が終わり、帰りの支度をして机を離れる。


「うん、帰ろー」



「あっ、佐伯!」


教室を出ようとした所、担任に呼び止められる。




「?なんですか」



「悪いけど、これ頼まれてくれないか」



担任が教卓に並べたのは、分厚いプリント。


…嫌な予感がする。



「何ですか?これ…」



「文化祭のプリントだ。各クラス事に何の出し物をやるか、選択肢の中から選ぶんだが…クラスみんなの意見が必要でな」




「はぁ…」



「それで、クラスみんなの意見をこれにまとめて提出して欲しい」




「えー!!なんで私!?」




「頼むよ。佐伯友達多いし、こういうの得意だろ?先生時間ないんだ。頼む!」




「あっ、ちょっと…!」




先生は手を合わせると、バタバタと教室を出ていってしまった。




「…やっぱ、彩は運がないね」



ぼそっと翔子が呟く。



「…翔子、手伝ってくれたりー」




「あっ、ドラマの録画しとかなきゃ!じゃあね彩〜!」




「……」



薄情者…





< 13 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop