隣の席で青春くん
ーーーーーーーーー
ーーー
「彩〜帰ろ!」
授業が終わり、帰りの支度をして机を離れる。
「うん、帰ろー」
「あっ、佐伯!」
教室を出ようとした所、担任に呼び止められる。
「?なんですか」
「悪いけど、これ頼まれてくれないか」
担任が教卓に並べたのは、分厚いプリント。
…嫌な予感がする。
「何ですか?これ…」
「文化祭のプリントだ。各クラス事に何の出し物をやるか、選択肢の中から選ぶんだが…クラスみんなの意見が必要でな」
「はぁ…」
「それで、クラスみんなの意見をこれにまとめて提出して欲しい」
「えー!!なんで私!?」
「頼むよ。佐伯友達多いし、こういうの得意だろ?先生時間ないんだ。頼む!」
「あっ、ちょっと…!」
先生は手を合わせると、バタバタと教室を出ていってしまった。
「…やっぱ、彩は運がないね」
ぼそっと翔子が呟く。
「…翔子、手伝ってくれたりー」
「あっ、ドラマの録画しとかなきゃ!じゃあね彩〜!」
「……」
薄情者…