隣の席で青春くん
ギィィィーッ
屋上の重たい扉を開ける。
「っわ…」
外に出た瞬間、強い風が下から吹き抜ける。
風、強…!
「あれ?誰か来たよ」
薄く目を開くと、そこには輪になって座っている新島くんと、美女。
それと…
「…誰?」
見慣れない男子が1人。
「何か用?」
「あっ…ごめん。赤澤くんを探してて。いないならいいの」
その場を去ろうとした瞬間、低い声が耳を指した。
「何?」
「え?」
「だから、俺に何か用?」
振り返ると、気だるそうに首を傾げる男の子。
「いや、俺ってー…私が用があるのは赤澤くんで」
「これがその赤澤だよ」
新島くんが、肩を組んで指を指す。
「え!?赤澤くん!?」
「あーあ、バレちゃった」
ケタケタと笑う新島くんに、心底面倒くさそうな赤澤…くん。
その姿は、教室で見る赤澤くんとは反対だった。