隣の席で青春くん
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「おっはよ〜彩!」
次の日、私の机に翔子がやってくる。
「昨日はよくも逃げたわね…」
「まぁまぁ。細かいことは言わない。ほら、飴ちゃんあげるから」
無理やり手に握らされた飴を眺めながら昨日事を思い出す。
「ねー、翔子」
「なに?」
「yuzu…って知ってる?よね?」
「yuzuって、モデルの?知ってるよ」
「だよね…」
「あ、yuzuと言えば…そうそう。今朝買ってきた雑誌の表紙に載ってたよ」
そう言いながら翔子は鞄から雑誌を机に出した。
「…ほんとだ」
女性誌の表紙なんて…凄い。
有名なモデルさんと、カップルのように載ってる。
「ドアップだね」
「そりゃ、表紙だからね〜うちらとタメだっけ?カッコイイよね」
「翔子好きなの?yuzu」
「嫌いな人居ないんじゃない?顔はピカイチでしょ。でも、性格悪そう」
あはは〜と笑う翔子。
性格悪そう、か…それは当たってるかも。
「彩も思わない?性格歪んでそうって」
「え…あぁ、確かにね〜こんだけイケメンじゃ、性格も歪むでしょ!」
ボサッ
「…」
隣で聞こえた物音に目を向けると、赤澤くん…いや、yuzuが鞄を机に置いた音だった。
……その冷ややかな目線に、背筋が凍る。