隣の席で青春くん
強いて欲を言うなら、あそこの席がいいな。
1番後ろの角席…隣もいないし。
あそこになれば、天気がいい日は暖かいし先生の目も付きにくい。
…無理だろうな、私のくじ運じゃ。
「はい、彩の番だよ」
「あ…うん」
くじを持って回る委員長のカゴから、適当に紙を受け取る。
「あーや、何番だった?」
「25…って、まだ分かんないか」
黒板を見ると、先生が適当に番号を席の場所に書く所だ。
「翔子は?何番?」
「私は12ー…ってあぁ!1番前!!」
翔子は項垂れるように私の背中に腕を回す。
「しかも先生の目の前の席じゃん。終わったね1年間」
「もー!!彩の運の無さが移った!!」
「失礼な…日頃の行いだよ」
「なんもしてないよ!!」
これで最悪な場所はとりあえず埋まったかな…
お願いします、神様…出来れば後ろの方の席に。
「よし、こんなもんだな。机の中身を持って移動ー」
「彩!あんた1番いい席じゃん!」
先生がチョークを置き、翔子が私の肩を揺らす。
私の席は、望んでいた1番後ろの窓側。
隣もいないし最高の席であった。