隣の席で青春くん



「ね、ねぇ赤澤くん…本気?」



「本気だけど」



「たまたまバレたからってー…赤澤くん、私の事嫌いでしょ?」




「何で?」



何でっ、て…


私は教室で翔子と騒いでいたのを思い出す。




「だって、私…yuzuの事、性格悪そうって言ったし…」



「俺の事嫌いなのはそっちでしょ?」



「へ?」



「俺の事嫌そーに見てくるし、態度でもろ分かりだよ。まぁいいけど」



赤澤くんは欠伸をして壁にもたれ掛かる。




「そりゃ…確かに苦手だけど」



「まぁ俺口悪いからね。あんま人から好かれないから」



「その分顔で好かれてんでしょ…」



「何か?」



「いえ、なんでも」




掛けられた上着に顔を隠す。


爽やかな、少し甘い香水の匂いがした。




「で、マネージャーって…具体的に何をすればいいの?」



「実際には口裏合わせとか、俺の都合が悪い事の助けみたいな感じ。まぁ、諸々は都度教えるよ」



「まぁ…私に出来ることなら」




そんな難しそうじゃないし…多分、大変ではないよね。



私は部活にも入ってないし、それで赤澤くんの助けになるなら別に…やってもいいかな。




「了承したからね。明日からよろしく」




目を細めて笑う赤澤くんに、もう私は従うしかないのだ。



< 24 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop