隣の席で青春くん
あのyuzuと!?
一緒に!?
「今年の運使い果たしたかも…」
「何してんの、行くよ」
「あ、は、はい」
赤澤くんに着いていくように、屋上を出る。
もう残っている生徒はほとんど居なくて、部活をしている生徒くらい。
時々吹く風が、前を歩いている赤澤くんの髪の毛を撫でる。
「…赤澤くん」
「何?」
「赤澤くんは、なんでずっと…学校休んでたの?やっぱモデル業が忙しいから?」
校門を出た瞬間、赤澤くんの足が止まる。
「…そだね。本業は一応学生なんだけど、忙しいと学校に来れない日は多い。それでもいいって学校側が言ってくれてるから大丈夫なだけ」
「そうなんだ…大変だね」
「正体がバレて転校する事も多かったしね。友達作る暇もない」
「え、じゃあ新島くんと六花ちゃんは?」
「六花とは仕事場で仲良くなって、その繋がり。前の学校から転校するって時に、アイツらに紹介されて入った感じ」
…だから、新島くん達と仲がいいんだ。
そりゃ、正体バレないように必死になるよね…また転校になっちゃうかもだし。
有名人て、大変なんだな…
「だから、佐伯さんが第1号」
「え?」
「学校で出来た友達、第1号」
そう言って笑った赤澤くんに、心臓が跳ねる。
…この先やっていけるかな、私。