隣の席で青春くん


あのyuzuと!?
一緒に!?


「今年の運使い果たしたかも…」



「何してんの、行くよ」




「あ、は、はい」



赤澤くんに着いていくように、屋上を出る。


もう残っている生徒はほとんど居なくて、部活をしている生徒くらい。



時々吹く風が、前を歩いている赤澤くんの髪の毛を撫でる。



「…赤澤くん」



「何?」



「赤澤くんは、なんでずっと…学校休んでたの?やっぱモデル業が忙しいから?」



校門を出た瞬間、赤澤くんの足が止まる。



「…そだね。本業は一応学生なんだけど、忙しいと学校に来れない日は多い。それでもいいって学校側が言ってくれてるから大丈夫なだけ」



「そうなんだ…大変だね」




「正体がバレて転校する事も多かったしね。友達作る暇もない」




「え、じゃあ新島くんと六花ちゃんは?」



「六花とは仕事場で仲良くなって、その繋がり。前の学校から転校するって時に、アイツらに紹介されて入った感じ」




…だから、新島くん達と仲がいいんだ。


そりゃ、正体バレないように必死になるよね…また転校になっちゃうかもだし。


有名人て、大変なんだな…



「だから、佐伯さんが第1号」



「え?」




「学校で出来た友達、第1号」



そう言って笑った赤澤くんに、心臓が跳ねる。



…この先やっていけるかな、私。
< 26 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop