隣の席で青春くん


「そろそろ戻りますかね」



屋上へと足を進めた葵くんを呼び止める。




「うん…あ、葵くん」



「ん?」



「あのさ、六花ちゃんは…赤澤くんが好きなんだよ、ね?」



「誰が見てももろ分かりだよね」


クククッと笑う葵くん。


「2人は付き合ったりとか…しないのかな?」



「え?」



「いや、だってさ、六花ちゃんて凄く可愛いし…お似合いだし」



私の言葉を聞いた葵くんは、少し考えたように首を傾げた。




「うーーーん……確かに、六花は可愛いけど…あの2人が付き合うことは多分ないと思うよ」




「ど、どうして?」




「どうしてってー」





「何話してんの?」




葵くんの言葉を遮り、自販機の奥から顔をのぞかせた人物。




「あ、赤澤くん」



「柚月」




赤澤くんは、眉をひそめてジロっと葵くんを睨む。




「たかが自販機行く位でどれだけ時間かけてんの」




「あは、ごめーん。ちょっと彩ちゃんと話し込んじゃって。ね?彩ちゃん」




「あ、う、うん……」




赤澤くん、顔怖い…



< 34 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop