隣の席で青春くん
「そろそろ戻りますかね」
屋上へと足を進めた葵くんを呼び止める。
「うん…あ、葵くん」
「ん?」
「あのさ、六花ちゃんは…赤澤くんが好きなんだよ、ね?」
「誰が見てももろ分かりだよね」
クククッと笑う葵くん。
「2人は付き合ったりとか…しないのかな?」
「え?」
「いや、だってさ、六花ちゃんて凄く可愛いし…お似合いだし」
私の言葉を聞いた葵くんは、少し考えたように首を傾げた。
「うーーーん……確かに、六花は可愛いけど…あの2人が付き合うことは多分ないと思うよ」
「ど、どうして?」
「どうしてってー」
「何話してんの?」
葵くんの言葉を遮り、自販機の奥から顔をのぞかせた人物。
「あ、赤澤くん」
「柚月」
赤澤くんは、眉をひそめてジロっと葵くんを睨む。
「たかが自販機行く位でどれだけ時間かけてんの」
「あは、ごめーん。ちょっと彩ちゃんと話し込んじゃって。ね?彩ちゃん」
「あ、う、うん……」
赤澤くん、顔怖い…