隣の席で青春くん
初仕事
「これって、漫画の……死する君へ…」
赤澤くんが机に出したのは、“死する君へ ”という大人気の漫画。
読んだことは無いけど、翔子が大ハマりで、人気がある事は知っている。
「え、これ実写化するの…、!?」
「いや、実写化じゃなくてアニメ化」
「アニメ化!?」
やっぱ、大人気の漫画はアニメ化するんだなぁ…
「それで、なんで台本がここに…?」
「そのアニメの、この役の声優する事になったんだよ」
「えー!?」
声優!?赤澤くんが!?
…確かに、いい声してるから声優やったって不自然じゃないよね。
でも、声優って……凄い。
ほんと、幅広いお仕事してるんだなぁ。
「どのキャラクターの声するの?」
「これ」
赤澤くんが、台本に書かれた絵の表紙の人物を指す。
そのキャラは、主人公と背合わせに書かれていて、影のありそうな人物だった。
イケメンなキャラ…
「へー……!凄いね、ほんとに!私漫画買って読むから!」
「それで、佐伯さんを呼んだ理由だけど」
「あ…そ、そうだよね。この事に関係ある話?」
「そう。俺、声優やるの初なんだよね」
「うん」
「それの、練習。佐伯さんに手伝って欲しいなと思って」
ニコッと笑った赤澤くん。