隣の席で青春くん
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「……ん」
カーテンから差し込んだ光を感じ、薄く目を開ける。
「起きた?」
横から聞こえてきた声に顔を向けると、赤澤くんがコンタクトを入れていた。
「あれ…赤澤くん」
「よく寝てたね」
霞む目で時計を見て慌てて起き上がる。
ガバッ
「1時!?」
寝たの朝方だったもんな…それにしても、こんな時間まで爆睡するとは。
「赤澤くんは…今日は予定ないの?」
「今日はないよ。予定あったらとっくに佐伯さん起こしてるって」
「ご、ごめんね…」
赤澤くんは寝起きの私の姿を見ると、クスッと笑う。
「寝癖、凄いよ」
「えっ!?」
「直しておいで」
「う、うん」
恥ずかしい…!!
洗面台を借りて、鏡に映る自分を見る。
…芸術的な寝癖が出来ている。
これを見られたなんて、恥ずかしすぎる…
急いで寝癖を直して顔を洗う。
「あら、起きた〜?おはよう彩ちゃん」
リビングからパタパタとお母さんが顔を覗かせた。
「あ、おはようございます!すいません、起きるの遅くて…」
「いいのよいいのよ〜柚月は起きてる?」
「あ、はい。起きてました」
「あら…もしかして、一緒に寝た?」
「っ!」
ニヤニヤと顔を赤くするお母さん。
「いや…えっと」
「ふふ、朝ごはんいるか、柚月に聞いてきてくれる?食べれるなら2人でおりてらっしゃい」
「……はい」
とんでもない、失礼な女になってないかな私…
全てを見透かしたようなお母さんは、そのままリビングへ戻っていく。