隣の席で青春くん
「そう言えば、赤澤くんが声優のお仕事する事六花ちゃんとか葵くんは知ってるの?」
お母さんが作ってくれた朝食を食べながら、赤澤くんへ視線を向ける。
「知らないと思う」
「え、知らないの?」
「言ってないからね」
「…そーなんだ」
意外だな…そういうの、共有したりしないんだ。
友達だけど、必要以上に干渉しないみたいな。
男の子ってそんな感じなのかな…私だったらすぐに言っちゃいそう。
ていうか、この事が六花ちゃんに知れたら私凄い怒られるんじゃ……
「百面相」
「え?」
「それより、いつまで俺の事赤澤くんって呼ぶの?」
「へ…」
「めちゃくちゃ他人行儀」
「でも…」
「葵は呼ぶのに俺はダメなの?」
ダメって言うか…葵くんは、人気者と言えど学校の友達として仲良くしてもらってるわけで。
赤澤くんも、一応学校…というか席も隣のクラスメイトだけど。
yuzuってことが分かってるから…
「でも…私のことも佐伯さんでしょ?」
「…」
「お互いにそうじゃないとー」
「彩」
「…」
「彩。俺はいつでも呼べるけど」
そう言った赤澤くんは、少し泣きそうな目をしていた。