隣の席で青春くん


「私ずっと大ファンで!今日一緒に撮影できるのすっごく楽しみにしてて…!」



「…そうですか」




この撮影をきっかけに、六花に付きまとわれることになる。



六花は、俺がウザがっても無視をしても付きまとい話しかけてきた。




六花の繋がりで葵を紹介され知り合いになったが、学校も違う、滅多に会わないやつに興味を抱くほど暇ではなかった。




そんな頃俺にマネージャーがつくようになり、日々の大半をその人と過ごすようになった。





「柚月、お前活動名はどーする」



「活動名?」



「本名に寄せてもいいし、全然違う名前でもいい。お前に任せるよ」




「…」




俺が元々この世界に入ったのは、間違いなく彩の影響で。



今はどこにいるかも分からない、会えないかもしれない彩を俺は今でも探している。



…でも、俺が有名になったら、彩は俺の事を見つけれるかもしれない。



…だったら




「…ゆず、って名前は残したい」



「…うーん…じゃあ、ローマ字でyuzu。これでいく」




少しでも、彩に分かって貰えるように名前は残したかった。



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