隣の席で青春くん
…嘘だ。
こんな所に、いるなんて。
こんなすぐ、会えるなんて。
「…」
バクバクと波打つ自分の鼓動がうるさい。
隣同士で採点をする機会があり、そこで確信する。
「佐伯…彩」
間違いない、彩だ。
俺が探してた…彩だ。
どうする?なんて声をかける?
そもそも、覚えているか?俺の事を…
いや、この姿じゃ分かるわけない…今は、言うべきじゃない。
だけど、なんとか…話したい。
「赤澤くん…頭いいんだね」
あの頃より少し大人びた彩を見て、目頭が熱くなる。
「…アンタは、頭悪いんだね」
なんとか、俺の事を意識して欲しい。