隣の席で青春くん


…嘘だ。



こんな所に、いるなんて。



こんなすぐ、会えるなんて。




「…」



バクバクと波打つ自分の鼓動がうるさい。



隣同士で採点をする機会があり、そこで確信する。




「佐伯…彩」




間違いない、彩だ。



俺が探してた…彩だ。



どうする?なんて声をかける?



そもそも、覚えているか?俺の事を…



いや、この姿じゃ分かるわけない…今は、言うべきじゃない。



だけど、なんとか…話したい。




「赤澤くん…頭いいんだね」



あの頃より少し大人びた彩を見て、目頭が熱くなる。




「…アンタは、頭悪いんだね」




なんとか、俺の事を意識して欲しい。



< 67 / 84 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop