隣の席で青春くん
初めて
「もうすぐ文化祭だね」
翔子の言葉にハッとする。
そう、もうすぐ文化祭…
「私立候補した覚えないのに文化祭委員になってるんだけど…なんで?」
「この間、先生の手伝いしてたじゃん。その流れで決まったんじゃない?」
「勘弁してよ…」
ただでさえ、今は赤澤…じゃなかった、柚月のセリフ合わせとかで忙しいのに。
その他にも、柚月が学校来れない時のノート取りとか…自分の授業でも精一杯なのに…
「Cクラス、出し物喫茶店なんだって」
「喫茶店…」
Cクラスって、葵くんと六花ちゃんのクラスだ。
喫茶店か…まぁ、王道だよね。
「うちのクラスは…」
「この間のアンケートでは1位がお化け屋敷で2位が喫茶店、3位がたこ焼きだって」
「お化け屋敷……」
「他のクラスと被らないようにしなきゃだから、お化け屋敷で決定でいいと思うけど」
お化け屋敷って…
確か去年の文化祭では、お好み焼きをクラスでやったけど。
他クラスのお化け屋敷行った時、すごく怖かった思い出がある。
それを今年うちのクラスがやるのか…まぁでも、自分たちでやった方が怖くは無いのかな。
「まぁ、いいかも。お化け屋敷。先生に言ってくる」
「うん、他のクラスに取られないようにねー。いそげ!」
翔子に見送られ、私は職員室へ向かった。