隣の席で青春くん
「柚月と葵くんて、ほんと仲良いんだね」
「は?」
「葵くんと文化祭回りたいんでしょ?」
「……はぁ…?」
何言ってんのコイツ、とでも言いたげな視線で私を見る柚月。
「え、違う?」
「…まぁいいよ。今はそういう事で」
「は…?」
今は…?
どういう意味だろう…
「どうする?今から台詞合わせでもする?」
「…」
「でも私まだ漫画の方全巻読んでないからそっちからでもー」
「あのさ」
棚の中にある漫画に手を伸ばそうとした瞬間、その腕を掴まれた。
「…柚月…?」
「答えたくなかったら、いいんだけど」
真剣な表情で私の腕を掴むその力は強い。
「彩って、好きな奴とかいるの」
「…えっ」
思ってもみなかった質問に、間抜けな声が出る。
好きな人…?